カルヤ君は、女の子の姿をした男の子だ。どうして、そうなったのか、私は知らない。
私と彼が出会ったのは、ゴーストタウン。私から、同行をお願いした。
その後も、私はつい色々と世話を焼いてしまっていた。
それは、彼の一心不乱に戦う姿が、ただ命じられるがままに戦っていた、『昔(といっても、まだひと月も立っていないのだが)の私』に似ていたから。でも、すぐに、それは違うと気づいた。
彼はきちんと、自分の意思で戦っている。昔の私のように、何も考えもせずに、ではなく。
きっと、彼は、自分の置かれている状況をできうる限り正確に把握する為に戦っているのだ。
だから、あれは『一心不乱』ではなく『一生懸命』だ。その姿が、私にはとても眩しく映る。
そして、私はその眩さから、しばらく目を離せそうにない。なんとなく、そんな気がする。
そんな彼だが、日記を書くようにしたらしい。わあ、おそろいだ。
ただ、彼の日記はどうやら『人に読ませるもの』らしい。そんなものが、あるのだな。
でも、私の日記帖もどこぞに置き忘れては、誰かが知らずのうちに届けてくれているので、
いろいろな人に読まれているのかもしれない。ふふ、それもとても楽しい。
今、これを持っているかもしれない誰か。
もし、読んでくれているなら、お手紙でも挟んでくれるとうれしい。みんなが、私の書くものにどんな感想を抱くか、興味がある。ああ、なるほど。だから『人に読ませる日記』というものがあるのかもしれないな。
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