私に道を示してくれたのは、ロシア人だった。
といっても、勿論見ず知らずのロシア人ではなく、日照の遠い親戚に当たる人だ。
ロシア国教会のシスターをやっているその人が、突然海を越えて、村にやってきてくれたお陰で、
私はたくさんの本を読んだり、服装に気を使ったりすることを二年かけて覚えることができた。
勿論、日照の人間がそれを快く思うはずもなく、私は無理やりこの学園に編入されたのだが。
だが、この学園でみんなを見て、私は自分の意思というものを世界に放出しようと思ったのだし、
それはシスターの思惑通りだったのだろう。
何しろ、私が編入してすぐ、今度は
シスターの姪っ子が転入してきたのだから。
彼女は、今は学業に専念しているものの、私と同じ能力者らしい。
今はまだ、話らしい話も出来てはいないが、少しづつ打ち解けていきたいものだ。
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